糖尿病の主な検査について

 
 
 

【血糖値】

 血糖のコントロールがよいか叉は悪いかを、起床した空腹時に測定をすることは病状を知る上で最も的確かつ有力な情報です。

 自宅での自己測定はある程度、一定の時間をきめて続けることに意味があります。しかし、血糖の測定は一日24時間の一瞬の価を捉えたに過ぎません。

 起床時、精神的に安定したとき測ると低くて、空腹のままあわただしく病院で測ると同じ空腹時でも20〜30mg/dl高くなることもあります。 血糖は一日24時間常に変動しています。

 こんなに高いはずがないと思っても、いろいろな影響により変動しますので一喜一憂しないことも大切です。

 病院では静脈血(血漿を分離してはかる)で計ります。これは高く測定されます。また、自宅で自己測定に使う血液は末梢全血で少し低く測定されます。この差は平均的に約20〜30mg/dlの違いが出ているとよく言われます。どちらが正しいという論議にはなりません。

 また、クリニックで測定する検査は、透析開始時の検査ですので、食事の時間や摂取内容を考慮する必要がありますので、その点に注意が必要となります。

 このように、血糖値はさまざまな要因で大きく変動しますので、厳密かつ正確に測定する必要があり、通常の生活の中で、ご自身で測定し指標にしていくには、なかなか難しいものです。

 したがって、下記の検査結果を指標にしていくことが、最も重要とされています。




【ヘモグロビンA1c】

 ヘモグロビンA1c(HbA1c)叉は糖化ヘモグロビン(グリコヘモクロビン)とも言います。

 血糖値だけでそのコントロール状況は十分に把握できません。そこで、採血時からさかのぼって、一定期間の血糖値の平均を示すような指標が必要になるわけであり、その代表的なものとしてHbA1cが広く臨床応用されています。

 簡単に言いますと赤血球のヘモグロビンにグルコース(糖)が結合した状態をみる測定法です。

 赤血球の寿命が約120日ですから、グルコースが結合した状態を過去1〜3か月の血糖レベルが反映されていることになります。

 日常の血糖コントロールが悪く、外来受診の数日前からのみ食事療法を徹底し、血糖を低下させて受診する患者さんでも、HbA1cは高値となり、普段のコントロールを把握できます。申し分のない数値(正常人と同じ)は6.5%以下ですが、目標として捉えて下さい。

 HbA1cも参考にして正しい血糖コントロールをされるといいでしょう。


【 フルクトサミン】

 HbA1cは長期のコントロールの目安になっても、最近のコントロールの悪化状況や改善状況は、正確に反映しない欠点がありました。この欠点を補うものとして登場したのが、フルクトサミン(糖化アルブミンとも言う)です。

 アルブミンの半減期が約20日と短いために、より短期(採血時より2〜3週間)の血糖コントロールの指標として有用です。

 HbA1cとの併用により、過去の血糖の管理状態を、より正確に把握することができるため、現在では欠かせない検査の一つとなっており、正常値としては205〜285μmol/dl


 参考までに血糖コントロール目標として、血糖値、HbA1c、フルクトサミンの数値を比較して評価をしてみましょう。

 あくまでも参考で、病気の状態や、疾患などにより各自相違しますのですので、評価は医師の指示に従って下さい。


★コントロールの評価例(血糖、HbA1c、フルクトサミン)★