人工透析を行うに際し、さまざまな血液検査を指標に行います。ここで主な血液検査の値について、 簡単にご説明致します。
♦T P(総タンパク):血液の中にあるタンパク質の量です。
・栄養の状態を示す指標の一つです。
低下するとむくみやすくなったり、透析中除水が困難になったりします。
♦BUN(尿素窒素):タンパク質などが体で燃焼した後の老廃物です。
・透析治療効果の指標ですので、透析後の値は前の値の60%以上除去されていることが望ましいです。
・原疾患でも相違しますが一般的に透析前の値で、80以下が望ましい数値
です。
♦K(カリウム):果物、野菜、木の実などに多く含まれる物質です。
・6.0以上で心停止の恐れがありますので、前の値で5.5 以下になるように
して下さい。
・3.5以下でも問題がありますので、過度の制限も好ましくありません。
♦Ca(カルシウム):食事ではなく内服薬でコントロールします。
・この値とリンの値は深い関係があり、これらをコントロールすることで、
骨の状態や副甲状腺の機能を正常に保つことが出来ます。
・9.0〜10.0の範囲が望ましいです。
♦P(リン):乳製品や魚介類、卵などに特に多く含まれる物質です。
・カルシウムと深く関係し、骨がもろくなったりしますのでコントロールが
必要です。
・透析前で6.0以下が望ましいです。
・まず、食事からのリンの摂取を可能な範囲で制限し、確実に内服薬を内服
することで、コントロールが可能になります。
♦Hct(ヘマトクリット):赤血球が血液中に占める割合です。
・低くなると酸素を十分に運搬できないため、体がだるくなります。
・高すぎるとドロドロ血となり血管をスムーズに流れない、血圧の上昇、透
析の効果が低下したりします。
・クリニックの方で増血剤の量を調節し、30%前後にコントロールさせてい
ただきます。
また、検査結果の伝票に高低マークや基準値が記載されておりますが、透析を受けている患者様の基準値には当てはまらないものもありますので、ご心配ならないでください。結果で問題のある際は、スタッフから必ずご説明と対処法などについてお話いたします。