水分と食事

 



【1】水分管理

 透析患者にとって水分摂取は体重増加に直接つながります。水分を摂り過ぎると、高血圧やむくみの原因になるほか、症状が悪化すると咳が出る、息苦しくなる、胸が痛くなるなどとなり横になって寝ることも出来なくなります。さらには心臓への負担が増して心不全や肺水腫等の合併症を引き起こすこともあります。また、透析中に過度の除水が全身の状態を悪化させ、吐き気や血圧低下、手足のつりなどが起こりやすくなります。日常の水分管理には充分過ぎるくらいの注意が必要であり、  一般的に次の透析までの体重増加は、適正体重の3〜5%に収めるのが理想的と言われています。

 透析患者の1日の飲水量は、原疾患によっても差はありますので、スタッフと相談してみてさい。一般的には、食事内容を考慮し1日300〜500mlということになります。

【2】食事管理

一般的な記述ですので、病状、原疾患などにより異なりますので、詳細はスタッフと相談して下さい。


(1)摂取エネルギー

1日1,600〜2,000Kcal


(2)たんぱく質摂取量

1日65〜80g

  たんぱく質は、健康な人なら誰でも体重1Kgあたり最低でも0.9gは摂らなければならないとされていますので、一般的に透析患者の場合は標準体重1Kgあたり0.9g〜1.2g(1.2gは週3回透析の場合)を目安にします。

(3)塩分摂取量

  食塩として1日5g〜7g以下

 塩分の除去には十分な除水も必要となります。近年の透析機器の向上により以前より柔軟な数値になってきておりますが、控えるように心がけたいものです。

(4)その他目標・留意点

・カリウム摂取量

1日1,500mg以下

 生野菜・果物・木の実、またこれらを原料とする食材などに多く含まれています。多く摂取すると最悪心停止に至ってしまいますので十分な管理が必要です。

・リン摂取量

1日800mg以下

 リンはあらゆる食品中に含まれています。、特に肉・魚、乳製品等のたんぱく質の中に多く含まれていますので、これらの食品を摂り過ぎないように注意しています。

・カルシウム摂取量

 カルシウム摂取については、特に意識して食事から目標摂取量を決めてはいません。カルシウムを含むリン吸着剤を服用しているからです。


 考えると頭が痛くなってしまいそうですが、 食生活はとても重要な楽しみの一つですから 、偏った食事にならないようにまんべんなく食事を行うことを心がけることが最も重要です。気にしすぎるのもよくありません。

検査結果からスタッフと相談して、楽しい食生活を!